リスニング上達の秘訣


非常に多くの人たちが習得に苦労している「英語」を、数ヶ月で完璧にマスターしてしまう、「天才」と呼ばれる人がいます。
一体誰のことなのでしょうか?
それは「幼児」です。
彼らは「言葉を覚える天才」だと言われます。
日本でも幼児教育が非常に盛んですが、
特に9歳までの子供は言語習得能力が優れているといわれ、
短期間のうちにまるでネイティブのような完璧な発音で英語をマスターしてしまいます。
しかし10歳を超えると成長していくにしたがってその能力は衰え、
完全に大人になってしまうと、言語を完璧にマスターするのはとても難しくなるといわれています。
(※言語学者たちはこれを「9歳の壁」と呼んでいます)
しかしなぜ、幼児はそんな簡単に英語をマスターできてしまうのでしょうか?
どれだけ苦労してもなかなか英語が喋れない大人と、
あっさり英語を覚えてしてしまう幼児達。
その違いは一体なんなのでしょうか。
なぜ9歳を超えると突然言葉を覚える能力が衰え、
大人になるにしたがって言語習得能力が無くなっていくのでしょうか。
その疑問を解くため、私は脳科学や様々な言語学を調査・研究しました。
そしてある時、幼児と大人の「決定的な違い」に気がついたのです。
実は、大人と幼児では「脳の仕組み」や「脳の使い方」が全く違うのです。
つまり、大人がなかなか言葉を覚えられないのは「頭が硬いから」ではありませんし、
幼児が簡単に言葉を覚えてしまうのは「特別な耳」を持っているからでもありません。
もっと単純に
幼児は「言葉を覚えるのに最適な脳の使い方」をしている
というだけのことなのです。
だから幼児はいとも簡単に言葉をマスターすることができるのです。
逆に言えば、「幼児のような脳の使い方」をすることが出来れば、
大人になったあなたでも簡単に英語をマスターすることが出来ると言えます。
ではその「言葉を覚えるのに最適な脳の使い方」とは一体どんなものなのでしょうか。
幼児は言語を習得するときにどのような「脳の状態」になっているのでしょうか。
それは、学習活動をしている時の「脳波」を調べれば簡単にわかります。
なぜなら、大人と幼児では学習活動中の「脳波」の状態が全く違うからです。
実際に、大人と子供の脳波の状態をイメージ化した図をご覧ください。
青い部分が「ベータ波」で、赤い部分が「アルファ波」と呼ばれる脳波の状態です。

これを見れば分かるように、
大人の脳はそのほとんどが「ベータ波」の状態になっており、
幼児の脳には「アルファ波」という脳波が大量に発生しています。
これが、幼児と大人の「脳の使い方」の決定的な違いなのです。
「アルファ波」か「ベータ波」かという、たったそれだけの違いなのですが、
結果的に幼児は天才的な速さで言語を吸収し、
そして大人は何年間勉強してもなかなか習得することができないのです。
幼児が天才的な速さで言語を吸収してしまう時に発生する
「アルファ波」には、一体どんな力があるのでしょうか。
実は「アルファ波」は、学習をするのに「理想的な脳波」と言われているのです。
大きく分けると脳波には4種類があるのですが、


このうちなぜ「アルファ波」の学習に最適なのかと言うと、
この状態にある頭脳は、ひとつの事に頭脳が集中していて
それを妨げるおそれのある他の要素を排除してしまうのです。
つまり「アルファ波」の状態にある脳は、
他の一切を排除して「ある一つの事」に全ての力を
集中的に注ぎ込むような状態なのです。
逆に言えば、その間は他の機能はあまり機能しなくなってしまいます。
(例えば幼児が何かに集中している時、他のものに目もくれず夢中になり、
呼びかけても気づかなかったりするのはこの為です。)
しかし、だからこそ逆に脳は一点集中し、
スポンジが水を吸うように情報を吸収してしまうこと出来るのです。

つまり言葉を覚える時、幼児は簡単にこの「アルファ波」状態になり、
他の仕事を一切放棄し「言葉を覚える」という作業に「脳が一点集中」して没頭します。
幼児がこれほど簡単に言語を習得しまうのは、この「アルファ波」の為だったのです。
先ほど見たように、幼時とは違い大人の脳は「ベータ波」の状態です。
実はこのアルファ波、9歳を境にどんどん発生しにくくなり、
成長するに従って「ベータ波」と呼ばれる脳波がどんどん増えていきます。
これがいわゆる「9歳の壁」と言われるものの正体です。

では、なぜ学習に向かないような「ベータ波」が
大人になると増えてしまうのでしょうか。
「やっぱり、大人になると脳が衰えてしまうから?」
いいえ、全く違います。
実は、大人には「ベータ波」が必要なのです。
「ベータ脳波」が働いているとき、脳は一点集中しません。
つまり、人間の五感全てが働いた状態になります。
大人が様々な日常の行動をし、安全に生きていくためには
いろいろな情報を取り入れて緊張した状態でなければならないからです。
つまり、大人が安全に生活するためには「ベータ波」である必然性があるのです。
しかし逆に言うと、ベータ波では脳が一つのことに集中することは難しく、
情報を効率的に吸収することは出来ません。
学習には不適当な脳の状態となってしまっているのです。
大人が「なかなか言語を習得できない」のは当然で、
脳が「学習に不適当な」ベータ波だったからなのです。
つまり「アルファ脳波」である幼児が簡単に言語をマスターし、
「ベータ脳波」である大人がなかなか言語を習得できないというのは、
「脳の仕組み」を考えてみれば当たり前のことだったのです!
いかがでしょうか。
この「アルファ脳の仕組み」がわかれば、なぜ大人が英語の習得に苦労し、
幼児が天才的な速さで英語をマスターしてしまうのかがわかると思います。
もちろんそんなことはありません。
幼児のような「脳の使い方」、つまりアルファ波状態になれば、
大人になったあなたでも、面白いように英語を吸収できてしまいます。
では、どうすれば「アルファ波」になることができるのでしょうか。
実は、ひとつだけ方法があります。
普段全く気づかないかもしれませんが、
実はあなたの脳にも大量の「アルファ波」が自然に発生し、
まるで幼児の脳のようになっている、ある「瞬間」があるのです。
それは一体どんな瞬間なのでしょうか?
実は人間は、何かに「集中」している時、脳に大量のアルファ波が発生しているのです。
あなたもスポーツや仕事、あるいはゲームや趣味のことなど、
何かに没頭して非常に「集中」している瞬間がありませんか?
実はそのとき、あなたの脳には大量の「アルファ波」が発生しています。
この瞬間ばかりは、幼児も大人も違いはありません。
どちらの脳にも「アルファ波」が発生し、驚くべき能力を発揮しているのです。

例えば、超一流の野球選手が大事な場面でバッターボックスに入ったとき、「観客の歓声が全く聞こえなくなり無音のような状態になった」などと言います。
彼らは大げさな作り話をしているのではなく、極限まで集中したために、脳に大量の「アルファ波」が発生しているのです。
その結果、脳が「一点集中」するために聴覚などの余計な感覚をシャットアウトしてしまい、本当に「全くの無音状態」になってしまうのです。
実は人間は、何かに「集中」している時、脳に大量のアルファ波が発生しているのです。
あなたもスポーツや仕事、あるいはゲームや趣味のことなど、
何かに没頭して非常に「集中」している瞬間がありませんか?
実はそのとき、あなたの脳には大量の「アルファ波」が発生しています。
この瞬間ばかりは、幼児も大人も違いはありません。
どちらの脳にも「アルファ波」が発生し、驚くべき能力を発揮しているのです。
そして一点集中した脳は、高速回転し驚くべき能力を発揮し始めます。

これは極限の集中状態の中で、脳が大量のアルファ波を出したために起こるのです。
「それは超一流のスポーツ選手だからできるんじゃないの?」
「集中力がないから、自分にはそれは無理だと思います・・・」
もしかしたらそう思われるかもしれません。
しかし、それは全くの間違いです。
確かに彼らのような超一流と言われるスポーツ選手は、
類まれな才能を元々持っている上に、普通の人では考えられないような厳しい訓練をし、
初めてそこまでの境地に達したのでしょう。
しかし普通の人でも、何かに没頭して「集中」している時、
脳は確実に「アルファ波」の状態になっています。

あなたもこのように集中している時には、脳に大量の「アルファ波」が発生しているのです。
だからこそ脳が一点集中し、他の事に意識が行かなくなるのです。
どんな人でも、集中すれば必ず「アルファ波」は発生するのです。
そして、英語学習にも全く同じことが言えます。
極限まで集中した状態で英語学習をしていけば、
あなたの脳は完全な「アルファ波」の状態になっていきます。
それは、幼児が言葉を学ぶ時とほぼ同じ状態の「脳の使い方」で
英語を学習する事ができると言ってよいでしょう。
するとあなたの脳は、まるで幼児のように一点集中し、
スポンジが水を吸収するかのように英語を身につけてしまうことが出来るはずです。
つまり英語マスターのための最大の秘訣は
「集中した状態で学習すること」だったのです。